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独奏楽器としてのヴィオラ①

Hindemith Paul (1895~1963)
Hindemith Paul (1895~1963)

 ―――どんな楽器の世界にも、その楽器の可能性を開拓した、名演奏家、作曲家たちがいる。ヴィオラという楽器においても、それは例外ではない。この楽器に魅せられ、生涯を捧げた演奏家たち。いくつもの傑作を産み出した作曲家たち…。彼らの知られざる戦いに、迫る。

 

プロジェクトPonta

~開拓者たち~

 

 …はい。なんだかどっかで見たことある…ギリギリ(アウト)なオープニングで始まりました、今回のぽんたナビ。きょうは、うさぎのぽんちゃんが、独奏…ソロ楽器としてのヴィオラについて、ご紹介しますぽんっ!

 ヴァイオリン協奏曲や、ピアノソナタ、フルート四重奏曲、などなど…、独奏ヴァイオリンとオーケストラ、ピアノソロ、独奏フルートと弦楽三部、といった音楽で、独奏パートを演奏する楽器のことを、ここでは「独奏楽器」と呼ぶことにするぽん。

 弦楽器の中でも、ヴァイオリンとチェロには、古い時代からたくさんの独奏曲が作曲され、ソリスト(独奏者)の名演奏家が、たくさん存在していた。…では、ヴィオラは?ヴァイオリンやチェロと比べてしまうと、作曲の数も、名演奏家の数も随分と少なくなってしまうけれど…。まったくいなかったというわけではないのだぽん!

 ヴィオラという楽器は、中音域を担当し、音楽の和音を作り、伴奏の中核をなす。その役割から、バロック音楽の時代から古典派の時代まで、独奏楽器として扱われることはあまり多くなかった。G.P.テレマン(1681~1767)はヴィオラ協奏曲やヴィオラソナタを作曲し、それは現在でも愛奏されるヴィオラの大事なレパートリーではあるけれど…、多作なテレマンはたくさんの他の楽器の協奏曲を書いており、その一部にヴィオラ曲があった、と言わざるを得ない。

 けれど、オーケストラの合奏において、中央に配置され、音域的にも高音域、低音域の他の楽器の音が聴きやすいヴィオラは、楽曲の全体像が把握できるためか、たくさんの作曲家が好んで演奏した楽器だったぽん!バッハも、モーツァルトも、合奏の際には好んでヴィオラを演奏したとされ。モーツァルトはこの楽器の魅力を聴衆に伝えるため、わざと調弦(チューニング)を半音高くして張りのある音が出るようにして、「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲(Kv.364)」を作曲し、自ら独奏ヴィオラのパートを演奏したといわれているぽん!

 古典派、ロマン派と時代が下り、近代・現代では、ヴィオラという楽器の可能性を広げるような、大規模な協奏曲やヴィオラソナタが作曲されるようになった。ここではすべてを紹介することはできないので…、2人の作曲家に絞って簡単にご紹介するぽん。


 マックス・レーガー(1873~1916)ドイツの作曲家で、バッハを深く研究した彼は、独奏ヴィオラのための3曲の「無伴奏ヴィオラ組曲(op.131d)」や、フルート・ヴィオラ・ハープのための2曲の「セレナード(op.77a、op.141a)」などの重要なヴィオラのレパートリーを作曲したぽん。

 バッハの「無伴奏チェロ組曲」や「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」などは、チェロ奏者にとっての聖典、ヴァイオリン奏者にとっても貴重な傑作として愛奏されており、前者は1オクターヴ上げて、後者は5度下げてヴィオラでも演奏されることがあるっぽんが...、このレーガーの無伴奏ヴィオラ組曲は、バッハの無伴奏曲を意識しながらも、ヴィオラの奏法をフルに活かし、美しい3つの世界を形にしている楽曲。写真の楽譜は、その組曲第1番第1楽章の楽譜だぽん。

 ご主人は、この曲を演奏すると"バッハの無伴奏曲の練習で必要な技術が試される上に、ロマン派や近代音楽で必要な細かい表現を実演しなければならなくて、難しい…。でもそれが良い"と思うとかなんとか…。ひょっとするとご主人って、とんでもないマゾなのでは…、い、いや、なんでもないっぽん!

 もう一人、紹介しておきたいのは、この記事の一番上に肖像を載せている、パウル・ヒンデミット(1895~1963)この作曲家は、自身がヴィオラを演奏するヴィオリストでもあり…、自分で作曲したヴィオラ協奏曲を、完成した翌日にオーケストラをバックに演奏したといわれている…、ちょっとありえないくらいすごい、恐るべき作曲家だぽん。ヒンデミットは、ピアノ伴奏つきのヴィオラソナタを3曲、無伴奏ヴィオラソナタを4曲、そしてヴィオラ協奏曲やヴィオラと他の楽器のためのソナタなど、非常に多くのヴィオラのレパートリーを作曲してくれた…ご主人に言わせると"本当に有難い、まじで神。やばたん…"な作曲家だぽん…って、今日のご主人はなんかキャラがおかしいっぽんね…。

 このヒンデミットの無伴奏ヴィオラソナタは、限界まで超絶技巧を駆使した、超難曲。おそらくヴィオラのレパートリーの中でも、最高クラスに難しい楽曲だぽん。無伴奏ヴィオラソナタop.25no.1の第4曲には『激しく荒々しく、音の美しさはどうでもよい』という指示書きが書いてあり、指定されたテンポはなんと♩=600~640。…!?えっと…1分間に4分音符を600回弾く速さ、つまり1秒間に4分音符10回…。(ふつう、「急速に」という指示のVivaceやPrestoでも、♩=152~184が限度)ちょっと意味がわからないっぽん…。けれど、どの作品も、ただ難しいだけ、などでは決してなく、ひとりの天才がヴィオラという楽器の可能性をどこまでも開拓した、素晴らしい楽曲だ、とのことだぽん。


 今日のぽんたナビ…プロジェクトPontaは、これでおしまい。最後まで読んでくれて、ありがとうだぽん!作曲家だけでなく、ヴィオラという楽器が独奏楽器として光を浴びるまでには、たくさんの名演奏家たちの活躍があったわけだけれど…、それはまた、次の機会に。

 今回はぽんちゃんの好きなものランキングを、最後に発表!第1位はなんといっても、小松菜!あの歯ごたえ、ほどよい苦み、みずみずしさ…、あぁ、たまらないっぽん。第2位は、バナナ!もっちゃもっちゃした食感が素晴らしい…。牧草やペレットなど、固いものを食べているぽんちゃんには嬉しいご褒美。第3位は、水菜。第1位には比べられないけど、しゃきしゃきした歯ごたえは小松菜にも劣らない。ワーストはりんご、にんじんだぽん…。あれは僕の舌にはちょっと合わないっぽん。ちなみに、うさぎの味蕾(味を感じる舌の細胞)は、人間の1.7倍あるんだよ!なんと人間よりも味に敏感な動物なのだ!ぽんちゃんはグルメなのです。

 さて、なんで今回ご主人は、独奏ヴィオラについて記事を作らせたかっていうと…、実は、近日中に…はっ!?…これはまだ、極秘情報だったぽん…!あぶねぇあぶねぇ、今日のご飯をりんごにされてしまうところだったぽん…。このお話については、「Performance」のページで、そのうちご主人自身から発表があるはず。続報を待つっぽん!

 さぁ、今回のご褒美はなにかなぁ。ふふふ…。おなかがすいてきちゃった。

(参考文献 「新音楽辞典 人名」 目黒惇編 音楽之友社刊)



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